2012年6月

【ライブイベント】 “The Awakening(覚醒)第五章”  6/24/2012

「エクソダスとの最終決戦に向けて、デュプレ卿が志願者を募集しています。
デュプレ卿に協力してくださる方は、トリンシック西のデュプレキャンプに集合してください。」
タウンクライヤーがあわただしくニュースを叫んでいました。
遂にこの日がやって来ました!トランメルトリンシック西に位置するデュプレキャンプに協力者が続々と集結しました。

全員を前にデュプレの演説が始まりました!
「ブリタニアの市民諸君!よく集ってくれた!元気か?いよいよ決戦の時は来た。準備はいいか?
言うまでもなく、相手はモンディンとミナックスの生み出した悪魔、エクソダスである。
ご存知の通りヴァーローレグでは既に行方不明者が出ており、近づいた者は正気を失うという由々しき事態となっている。しかし事件はそう単純ではない。思い起こしてほしい。ここ数か月の間にイルシェナー全土で起こっている数々の異変を。大規模な岩盤の崩落とロード・ブラックソーン城の消失。イルシェナー中央部の孤立とジュカとミーアの争いの再燃。ネクサスの出現と機械生命体の侵攻。そして、ヴァーローレグの包囲である。これこそがエクソダス“覚醒”の兆候であり、点であるとにらんでいるが、その点を結ぶために、私はあるものを探し出そうとした。
ロード・ブラックソーンの日誌である。ついこの間、私は酒場で思いがけない人物と再会した。ロード・ブラックソーンの道化、ヘクルス(Heckles)だ。彼は言った。彼の主人はエクソダスとの対抗手段について調べていた、と。そして彼の日誌には何が本当に起こっているのかが、したためられているであろうと。私は手をつくしてその日誌を探し出そうとしたが、ついにかなわなかった。
エクソダスダンジョンの奥深く、コントロールルームに存在するというエクソダスの本当の姿を見た者は、いまだかってない。彼は機械なのか?モンスターなのか?それともそれらの複合体なのか?日誌が見つかることはなかったが、我々がエクソダスを打ち破り、イルシェナーの、そしてソーサリアの、新たなる歴史の目撃者となるとき、すべての点がつながり、謎が明らかになるかもしれない。」
今回の作戦の主な内容はエクソダスの討伐、ロード・ブラックソーンの日誌の探索そして先日行方不明になったロイヤルガードのニコラス隊長の捜索でした。キャンプからゲートで移動し、イルシェナーのヴァーローレグ前の砂漠のオアシスに一旦集合し、各自が戦闘準備を整えた後、陸路をエクソダスダンジョンへと向かいました。

エクソダスダンジョンの入口はガーディアンに守られた壁で塞がれていましたが、全員でピラミッドの周囲のモンスターを倒していくと壁の1つが爆発し通行可能になりました。

ピラミッドに突入し地上のテレポーターから内部に進入するとダンジョン内部には多数の機械生命体がバリケードを作って待ち構えていました。全員で力を合わせて少しずつそれらを討伐し、バリケードを撤去しつつダンジョン西側にあるコントロールルームを目指しました。

デュプレと桜民がコントロールルームへ到着し、部屋の内部を慎重に調査すると床の片隅に大きな鉄錆の塊があるのが眼に留まりました。デュプレがロングソードを鉄錆の塊に思い切り振り下ろすと、床にぽっかりと開いた不気味な穴が出現しました。「穴があったぞ!これがヴァーローレグへの侵入口に違いない!これより突入を開始する!」。デュプレが叫ぶと全員が我先にと穴へ飛び込んで行きました。

穴は変わり果てた姿になったヴァーローレグの西側に続いていました。美しかった大理石の街は見る影もなくなっていました。街の通路はもろい壁で封鎖され、エクソダス配下のモンスターが多数、徘徊していました。数機のネクサスが街のいたるところに設置され、怪しげな光を放っていました。そして街全体は重し苦しい空気に包まれていました。デュプレは指示を出し続けました。「エクソダスを探しつつ、街の中央付近を目指せ!壁を壊して進路を開け!中のモンスターを引きずり出せ!」「手分けして当たってくれ!全員ついてきているか?敵は全て倒さなければいけない!南北の方向にも通路を開いてくれ!」「力をあわせて頑張ってくれ!」「残りはどこだ……!」

ヒューマンもエルフもガーゴイルも全員が戦況を確認しあいながら協力して壁を壊し、モンスターを殲滅して行きました。戦いに参加できない者は率先して後方で負傷者の手当てを担当しました。街のほぼ全域の制圧が完了すると、デュプレはロイヤルガードのニコラスを探しながら全員、街の西側へ集まるようにと指示を出しました。ニコラスはどこにも見当たりませんでしたが、宿敵エクソダスはどこかにいるはずです。一度体勢を立て直すために集まった全員の後方に巨大な影が見えた瞬間、デュプレは思わず叫びました!
「あれは何だ!?」今まで見た事もないような巨大な禍々しい姿をした悪魔エクソダスが遂に姿を現しました!!

モンデインとミナックスの産み落とした悪魔、エクソダス!! その攻撃は凄まじい物でした。
エクソダスの発する死の竜巻に体力・魔力を奪われ身動きを封じられたり、ガス状のエーテルによって肌を焼かれながらも全員とペットと召還生物は必死になって戦い続けました。「頑張ってくれ!最後まで耐えてくれ!」。デュプレもロングソードを握る手に祈りを込めて戦っていました。

足の踏み場も無いほどの人々やペットの死体の山が出来た後、エクソダスの巨大な体躯も遂に崩れ落ちました。「倒したか!!!負傷者の手当てをしてくれ!」
デュプレはすぐさまエクソダスの死体を確認しに走りました。そしてそこから一冊の古ぼけた日誌を取り出しました。「諸君。本当によく戦ってくれた。ひとまず外に出よう。ここは危険だ。」デュプレの指示で全員は赤いムーンゲートをくぐり、イルシェナーの名誉ゲート近くに無事脱出しました。

全員が落ち着くのを待った後、デュプレは名誉のマントラを唱え今日の勝利を名誉の神殿に奉納しました。そして高らかに勝利宣言を行いました。

「ブリタニアの市民諸君!今日我々はソーサリア始まって以来の最も過酷な戦いを制し名誉ある勝利を納めた! 諸君の労を心よりねぎらいたい!はるか昔から人心を惑わし、人々を混乱に陥れ、ソーサリアを我がものにしようと暗躍した、邪悪で強大な悪魔は去った。The Time has Come 我々の手にソーサリアを取り戻す時が来たのだ。」

その瞬間名誉のムーンゲートが爆発し燃え上がりました!! デュプレと全員は驚きの声を上げました。
「……むぅ! これはどうしたことだ!」「これはエクソダスが倒れたことと何か関係があるのであろうか……?」とデュプレが言うと、「邪悪な炎だ!」「ミナクスの仕業か!」と言い出す者もいました。エクソダスが倒れた後も、さらなる試練がソーサリアに訪れるという事なのでしょうか?

デュプレはムーンゲートの件は追って調査すると言い、全員を連れて青いゲートをくぐりデュプレキャンプへと引き返していきました。

キャンプに着くと、デュプレからある報告がありました。「朽ちた日誌(ロード・ブラックソーンの日誌)」が発見されたのです。
デュプレは日誌を一読すると、驚いた表情を隠せませんでした。「……!!! こんな事が……。」。
デュプレは日誌をライキュームへ持ち込み、吟味すると言いました。そして日誌の内容に興味のある者の為に、写本を用意すると約束しました。「この本を読めば何が起こっているのか少なからず謎が明らかになるかもしれない。」。

そして最後に、全員に挨拶をし、今回発見できなかったニコラスの件を引き続き捜査すると言うと、慌しくライキュームへと去って行きました。

【ロールプレイ・セッション】 「小さな使者と名誉の騎士」  6/17/2012

※ライブイベント覚醒第四章と第五章の間の補足説明ロールプレイ・セッションが行われました。
~あらすじ~
ネズミのシェリー(Sherry the mouse)とデュプレ(Lord Dupre)はフルッカのトリンシックの酒場(The Keg and Anchor)に桜民を集めました。

「……相変わらずですね。サー・デュプレ。ええ、そして本当にお久しぶりです。」
「本当に久しぶりだね。シェリー。訪ねて来てくれてうれしいよ。そんなにかしこまらないでくれないか。まあ飲んでくれよ。やあ、みんな! みんなも飲んでくれ! ここはオレのオゴリだ!」
「ありがとうございます。サー・デュプレ。」
「シェリー。俺はただのデュプレでいいんだ。あの頃から何も変わっちゃいない。あの頃のままのデュプレでいいんだよ。」
ソーサリア中を走り回り冒険者に知恵や情報を授けると同時にあらゆる歴史の目撃者でもあるネズミのシェリーと先の王の親友そして名誉の騎士でありトゥルーブリタニアン派閥長も務めるデュプレは古い友人です。二人が久しぶりの再会のお祝いを簡単に済ませるとネズミのシェリーが重い口を開きました。

シェリーはデュプレにドーン女王亡き後、リーダー不在であるソーサリアが不穏な状況に陥っている現状とここ最近イルシェナーで起きている出来事、ミーアやジュカ、そしてガーゴイル族の窮状を訴えました。
「私はあなたにこのようなご報告をしなくてはならないことが、本当に悔しくて情けないのです!でも聞いてください。事態はもはやロイヤルガードや王室評議会だけで収拾することは不可能です。八徳の体現者を失った今、ブリタニアの街は互いに反目しあい、人々は私利私欲に走り、街には襲撃者があふれています。それに……。あろうことか今度は爵位の売買までする者が現れたのです! ああ! けれど誤解なきように、サー! …いえ、デュプレ! 人々に罪はありません!問題は王室評議会の真似ごとをして人々から金をまきあげ、爵位を売りつけ、私腹を肥やす意地汚いやつらです!おわかりでしょう?王室評議会の威信は地に落ちました。王室評議会は事態を重く見ております。アークース様はあなたに戻って来てもらいたいのです。」
「 ……。」デュプレは静かにシェリーの言葉を聞いていました。
「それに……。今やブリタニアの地だけではなく、ソーサリア全土を巻き込んで異変が起きているのです。かのイルシェナーの地では原因不明の地響きのあとに、ロード・ブラックソーンの城塞が跡形もなく消え去りました。かって師アドラナスが1000年もの間見守り続けたミーアの墓すらも、どこにあったのかわからなくなってしまいました。ジュカとミーアの争いは再び激化しています。均衡が完全に破られたのです。おわかりでしょう、デュプレ。何者かが背後で動き始めているのです。」
ここでデュプレがシェリーの意見を遮るように口を開きました。
「シェリー。君の気持ちはよくわかるよ。だけどジュカやミーアの種族間の争いに我々が首をつっこむことは感心しない。ジュカはもともと好戦的な種族だ。彼らには彼らの義があり、誇りがある。ミーアとの争いの歴史は古い。何らかのきっかけで彼らの間の確執が再燃してもそれは不思議ではない。」
デュプレの意見はもっともでした。しかし、シェリーは更に重大な情報を語りだしました。
それはイルシェナーのエクソダスダンジョンにて冒険者により再起動させられたネクサスが、一昔前にソーサリアを恐怖に陥れたエクソダスの復活に関係しているという物でした。
それを聞いたデュプレは席を立ち上がってしまいました。
「エクソダスが復活したとは悪夢を見ているようだ。ヴァーローレグの現状に少なからずブリタニアの民が加担しているということか。あまり考えたくないことだが……。まったく評議会とガードは何をやってるんだ!」
デュプレがフルッカでミナックスの後を追う事に専念していた間、トランメルが思いも拠らない状態になってしまっていたのです。
シェリーはデュプレに懇願しました。
「デュプレ。ロイヤルガードたちと良識ある市民の名誉のために申し上げます。混乱のさなかにあっても多くの者たちが結束し、精一杯戦ったのです。ザー女王に自ら支援を申し出て、ヴァーローレグの機械生命体の脅威にも立ち向かったほどです。けれど立ち向かう敵はあまりに強大で、もはや彼らの手に負えなくなっております。浸食されたヴァーローレグに調査に赴いた彼らのリーダーであるニコラスまで、行方不明になるという事態になっております。人々はおびえ、士気は下がる一方です。どうか、どうかデュプレ! ブリタニアの民にはあなたが必要なのです!どうか戻って来て!お願いです! ……お願い!」。
シェリーの顔を覗き込み、デュプレが答えました。
「シェリー。君の話はよくわかった。だけどよく聞いてくれ。俺は名誉(Honor)の騎士だ。ここフェルッカで、トゥルー・ブリタニアンズのリーダーとして、名誉ある戦いをミナックスに挑んだんだ。名誉ある戦いは複数の相手に申し込むことはできない。これを取り下げてフェルッカを後にすることはできない。」
シェリーは小さな体で精一杯の声を出して言いました。
「お話はよくわかります。あなたはあの頃とちっとも変わっていない……。名誉を重んじる真の騎士でいらっしゃいます。けれどデュプレ!名誉とは誰が為の名誉でしょうか!今苦しんでいるブリタニアの民のために手を差しのべることが、どうして名誉を軽んじることになるでしょう!それに、エクソダスはモンディンとミナックスの息子です。あなたの敵は私たちの敵であり、私たちの敵もまた、あなたの敵であるはずです!徳を忘れた人々の心をふたたびひとつにするために、私たちにはあなたが必要なのです!どうか、どうかデュプレ!ご決断を!」
シェリーをみつめていたデュプレの表情が一気に変わりました。
「はっはっは!こりゃ、一本取られたな!……シェリー。そうだ。君の言う通りだ。名誉とは誓いを大切にする事だが、正しいと思う事を貫く精神でもある。」
そしてシェリーは願い通り、ソーサリアに力を貸してくれる頼もしい味方、デュプレを得ることに成功したのでした。

「早速だが、その行方不明になったというガードの話を聞かせてくれるかい?」一度決心すると、デュプレの行動は迅速でした。
シェリーはロイヤルガード隊長のニコラスが複数の部下を伴いイルシェナーのヴァーローレグの調査に行き行方不明になった事、戻ってきた数人は発狂したような状態にある事、そしてトラメルのロイヤルガードの上層部はそれを隠している事などをデュプレに報告しました。
「では、私が出向いてはっきりさせるまでだ。いっしょに来る者はいるかね?」
「はい!」「行きます!」その場にいた桜民は快くデュプレの問いかけに応じました。
「さあ! 勇敢なるブリタニアの市民諸君!馬を厩舎から出して来たまえ! 剣を抜きたまえ!我らこそはエクソダスの謎を暴く尖兵となろうぞ!準備ができた者からイルシェナーの名誉ゲートに集合だ!」

名誉ゲートに一旦集合し全員が戦闘準備を整えるのを待ってから、デュプレ率いる全員はヴァーローレグに向かって進軍を開始しました。
洞窟を通り抜け、ドラゴンエッグを迂回し南下しつつ砂漠に出るとそこにはおびただしい数の機械生命体が待ち構えていました。
ですが桜民は力を合わせて戦いすぐにそれらを討伐しました。

ヴァーローレグの入口は見えない壁に阻まれていて中に入ることはできませんでしたが、階段の下にニコラス隊長の物と思われるクロークや荷物が散乱していました。「ニコラスはヴァーローレグに入ったのだろうか…?」全員が入口付近に集まってきた時、デュプレは砂の中から聞こえるかすかな声に気づきました。
「くるしい助けて…*もごもご*」。「ここか!」デュプレは足元の砂を掘り始めました。慎重にふるいで砂をより分けると、砂の中から一斉にモンスターが出てきました! しかしデュプレは構わず砂をひっくり返しました。モンスターが桜民によって討伐された後、砂の中からロイヤルガードのニコル・ヴァレンタインの姿が出てきました。ニコルによると、ニコラスを探しに単身、ヴァーローレグに来てみたものの、正面からはどうしても中に入ることが出来ないこと。そのうち見張りに見つかり生き埋めにされてしまったとの事でした。ニコルは見張りと争った際に負傷していて出血が酷かった為、心配したシェリーは彼女を療養のためトランメルに連れて帰りました。「ひどい傷…しばらくは休む事になりそうね。」

「ロイヤルガードをいとも簡単に……。」デュプレはつぶやきました。彼と桜民は目の前に立ちはだかるヴァーローレグを見つめていました。
「スパイクが規則正しく上下しているさまは、まるで心臓のようだ。そこに見える奇妙な機械はエクソダス内部にあったものであろうか?……恐ろしいことだ! エクソダスはあらゆるものを浸食しながら、ひとつの生命体としてこうしている間にも成長を続けているのだろう。ミナックスとモンディンが生み出した忌まわしい悪魔を我々は何としても食い止めなければならない。」「ブリタニアの市民諸君。どうやら私はこれからあらゆる有力者、知人やそのつてを頼り、ブリタニア全土から兵力を集めねばならないようだ。そしてそう遠くない未来に、ふたたび諸君にお目にかかるだろう。その時にこそ私はこの強大な敵に、諸君とともに名誉の戦いを挑むつもりだ。 諸君! その時にはともに立ち向かってくれるか?ともにブリタニアの名誉のために戦ってくれるか?」。デュプレの問いかけに全員は力強く頷いていました。

「ありがとう。では諸君! その時までゆっくり休息しておいてくれ!また会おう!」。来るべきエクソダスとの決戦に備えて十分な準備をする為にデュプレは一旦、トランメルへと帰っていきました。

物語はエクソダスとの最終決戦へと続きます。

【イベントストーリー応募作#2】 「ジューンブライド奇譚 ~攫われた花嫁と謎の魔女~」  6/9/2012

「6月と言えば、ジューンブライドよね。」

とは、誰が言ったのでしたっけ。
きっと、チェリーさんですね。

夏が近づくにつれ、結婚式が増えてきているようです。
幸せな人が増えるのはいいことですね。

しかし、一つ困ったことがあるんです。

実はですね。
イルシェナーにある、とある式場で式を挙げると、
新婦が行方不明になるという怪事件が発生しているのです。
今年だけでも、数十件程。

ソーサラーという場所に、綺麗な式場があるのはご存知ですか?
そもそも、そんな危険な場所で式をあげるのもどうかと思うのですが。(汗

あの場所には、曰くありげな噂がありまして・・・。
人の興味本位とは恐ろしいもので、噂が噂を呼んで、
犠牲になる市民は後を立たず。

調査に乗り出したのはいいものの、
さて、どうしましょうか・・・。

—–

思案に暮れていても仕方がないので、
猫又さんは街中に探索に出かけることにしました。

「いい人材がその辺に落ちてないかなー。EM募集中!」

いけないいけない、つい口癖で。
ややのんきに散歩しているだけの様にも見えますが、
ちゃんと桜の平和を守る為にパトロールしてるんですよ。

今日も、桜はとても平和です。

広場には、椅子に座って仲良く談笑している男女。
ええい、そんなこと自分の家の中でやりなさい。羨ましい。
隠れてみてる人もいるかもしれませんよ。
といいつつ、猫又さんもステルスなんだけどね。

ピコーン。

猫又さん、ちょっと思いついちゃいました。

「もしもし、そこのお方とお嬢さん。」

「!」
「!」

ステルス状態を解いていきなり二人の目の前に現れた猫又さんに、
驚いている様子の男女。

「見れば、お二人とも冒険者のご様子。

最近、起こっている事件の事は、
冒険者の方ならご存知かと思われます。
事件の犯人を捕まえたいので、

ちょっと結婚してみてくれませんか。」

と、一気に捲くし立てました。

「お断りします。」
と言ったのは、苦虫を噛み潰したように不機嫌な表情のエルフの男性。
真っ白いローブの端から、ちらりと見える防具。どうやら戦士のようです。

口元が笑ってるけれど、目が笑っていないよ。この人。

「えー、やってみようよ。」
と言ったのは、好奇心旺盛そうな人間の女性。
魔術師の帽子を被り、手元には魔道書。
彼女の方は、見るからに魔術師といった感じですね。

心から楽しそうに笑顔で応対してくれました。
話がわかりそうな人が一人でも居てよかった。

「囮捜査は、俺もいい案だとは思います。」
彼もこっちを向いて、真顔で応対してくれてはいますが。
目が怖いよ。目が。
「でも。
危ないのは彼女の方ってのが、気に入らない。」
彼女の方を見ようともしないで、
あさっての方向を見ながら不機嫌に呟く彼。

「大丈夫、大丈夫。
貴方なら守ってくれるでしょう?」
彼の顔を覗き込んで、彼女はにっこりと笑う。
いかにも、信頼しきっている、といった雰囲気だ。

「もしかして、お二人は恋人同士なんですか?」
猫又さんは、話を繋ぐ為に、何気なく聞いてみました。

「ええ、そうですよ。」と、さも当たり前にすんなり肯定する彼。
「!いいえ!・・・え、そうなの。じゃ、そうです。」と、彼女。
彼女の方は彼の答えを聞いて、答えを変えた感じですね。
なんだかややこしいなぁ。

「それに、俺は模擬じゃなくて・・・。」
視線を逸らして言い淀む彼。

「?」
彼女は首をかしげる。

あー、好意に気付かない人って、たまにいますよね。
男女問わず。

なんだか彼も苦労してそうですね。
わかります、わかります。ウンウンと頷きます。

彼の方は私の同意に気付いたようです。彼はなかなか鋭いですね。
照れたように笑い、ようやく、目が笑ってくれました。

「・・・いいでしょう。お引き受け致します。」
結局、彼の方も冒険者としての好奇心が勝ったようで、
猫又さんの案に快くのってくれました。

たまたま、その辺で仲睦まじくいちゃいちゃしてたから、
声をかけてみただけという。誰でもよかったんだけどね。

とりあえず、役者は揃いました。

というわけで。

(ここまでが前振り
ここからが本編です)

ここは、イルシェナーにある、ソーサラーズというダンジョン。
ダンジョンの中には、教会のようなスペースが存在します。

事件を解決する為に、今日も冒険者の方に集まって頂きました。
屈強そうな戦士、羽を持つ魔術師、様々です。
着席するもの、壁に背を凭れているもの、
皆が礼儀正しく待ってくれています。ありがたいです。

これだけ大勢の者がいるというのに、皆はただ静かに、
私、猫又さんの話を待ってくれています。

「皆さん、こんばんは。
今日はお集まり頂きまして、ありがとうございます。
これから式を、始めたいと思います。
・・・といっても、模擬結婚式なんですが。(汗

式を始めるまでにはまだ時間が有るので、
一つ話しをしましょうか。
実はこの式場にはある噂があるんです・・・。」

「すみません!ちょっといいですか!」
その時、群集の間を縫って、人が慌てた様子で駆け込んできました。

「ちょっと、模擬とはいえ、神聖な結婚式・・・」
「新婦がいなくなりました!」
駆け込んできた者は、一同に聞こえるように、報告しました。

一同「「「「えええ」」」」」(驚いた感じでアドリブでなんか)
そりゃ驚きますって。
これだけの人数が見守っていて、どうしていきなり消えるんですか。
ステルサーですか。

「ゲートが開いたかと思ったら、
私の目の前で、新婦が消えてしまいました。」
慌てて、あわあわしている感じです。

「皆さん、落ち着いて。説明します。」
猫又さん、落ち着いてます。こうなることはわかってました。(キリッ
「実は噂を聞いて、事前にソーサラーを一人で歩いてみたんです。
ステルスで。
隅から隅までくまなく歩きましたが、犯人らしき人はいませんでした。

実際に結婚式を挙げてみれば、犯人も姿を現すと踏んだんですが、
まさに、今、犯人は姿を現したようですね。
魔力をビンビン感じますよ。」

「猫又さん、犯人の居場所までのゲートを開けてくれませんか。」
冷静な新郎。
いや、まったく冷静じゃなかった。
神聖な式場で、なに斧なんか取り出しちゃって、
しかも、なに振り回し始めちゃってんですか。

「そうしたいのはやまやまですが、強大な魔力で妨害されてまして。」
ローブの下に流れる汗をぬぐいたい気持ちを抑えて。
「犯人の目星はついてるんです。その噂には続きがあって・・・。

この式場で式を挙げると、ダンジョンに済む黒い魔女に呪われる。

この黒い魔女ってのがなんだかはわかりませんが、
噂では、このダンジョンの奥に住んでいるようですよ。
大丈夫です、ここからなら、歩いてもいけます。
魔方陣があるから、いけばすぐにわかるはずです。 」

猫又さんは、地図らしきものを新郎へ渡します。

「今、この方に行き先を書いてある地図を渡しました。
もし、この場にいる方で、犯人討伐に参加頂ける方は、
この方の誘導に従って行動してください。
私はEMホールにて皆さんの帰りを待っています。
魔力による妨害がなくなったら、帰りのゲートも出せますので、
帰りの心配はしなくていいですよ。
戦闘の準備はよろしいですか?」

(EMさんは戦闘に参加しないので、
誘導係がほかに思いつかなかったので、
誘導係り役は変更して頂いても可です)

彼らは冒険者。地理に明るいものもいるだろう。
一部の冒険者達は、我先に、と、誘導を待たずに、駆けて行った。

大多数の者は、一団となって、誘導と共に駆けて行くのだった。

冒険者達はダンジョンに元から巣くう魔物達を掃討しつつ、
ダンジョンの奥へと進んでいった。

程なく、冒険者達が魔方陣の間に着くと、
そこにいるのは無数のロットワーム。
冒険者達の活躍でロットワームの群れは次々と駆除されていく。

(シャカシャカのときにでてくる、古いロットワームとか。
倒すと、何の変哲もないただの指輪が手に入るとうれしい。
このロットワームの正体が行方不明になった花嫁さんの複線。
複線なので、別に指輪の設定はなくてもいい。 )

彼の前にも、一体のロットワームが現れる。
彼が斧を振るうと、ロットワームはあっさりと倒れた。
「倒しても戦利品は、指輪だけ?なんだ?こいつら?」

彼は叫んだ。

「いるんだろう?でてこい!黒い魔女とやら!」

「あら、思ったより早かったのね。花婿さん。」
黒いローブに全身すっぽりと身をつつんだ、魔術師。
魔方陣の真ん中に、突然あらわれた。
声からして、女性。顔は見えない。

「お前が今回の事件の犯人、で、良さそうだな。」
彼は極めて冷静であることを装ってはいるが、
彼女に害をなしたものに対して、怒りの感情しか沸いて来ない。
内心は腸が煮えくり返っている、と、言えば伝わるだろうか。

彼は、敵対の意思を露にするように、戦闘体制を崩さない。

「くすくす。」
黒き魔女は優雅に笑う。
「そうね。せっかく大勢の人に来てもらったのだから、
昔話でもしましょうか。」

「私もかつては、恋人がいたのよ。
それは素敵な騎士様だったわ。
でも私は裏切られた。
私の騎士様は、結婚まで誓った私を捨てて、
出世の為に隣国のお姫様と結婚したの。そう、あの教会で。」
黒き魔女は淡々と話を紡ぐ。
「そして、裏切られた憎しみから、私はここで命を絶ったの。
その憎しみから自分の魂に呪いを掛けてしまい、
こうして、仇をなす存在として蘇った、というわけ。 」

「それで?」
彼は待ちきれずに本題を切り出した。
「あいつは?行方不明になった花嫁達はどこにいる?」

「花嫁さんなら、貴方達が殺したわよ。」
黒き魔女は、に、と、口をゆがめて笑う。

「!?」

「ここへたどり着くまでにロットワーム達がいたでしょう?
あれが、私が捕らえた花嫁さんたち、の成れの果て。」
黒き魔女は狂気の様相で、あははは、と声をあげて笑う。
「人生で最も美しく幸せであるはずの花嫁が、
最も醜く不幸だったら、面白いじゃない?」

「ふざけるな!」
彼は斧を構えて黒き魔女に切りかかるが、
黒き魔女は彼の斧をやすやすとかわす。

「歓迎の趣向がお気に召さなかったかしら?ふふふ、そう。」
黒き魔女は、魔物に姿を変える。
「貴方達もまとめて石に変えてあげる。」

(出現してほしい魔物は、メデューサ。
特殊能力等は猫又さんにお任せします。
そのままの特殊能力でも、準備がないと、かなりやっかいです。)

「ようやく、私も、本当の眠りにつくことができる。」
黒き魔女は冒険者達の手で倒された。
「これで、やっと、憎しみの日々から開放される。」

「汝の望む者は、あそこにいる。」
黒き魔女はきらきらした光に包まれて消えていく。
「私が解放されることで、呪いの効果も薄くなる。
あとは呪いを除去する祝福の呪文-リムーブドカースの呪文で、
呪いが解けるはずだ。彼女らの魂も解放され、
元の姿、元いた場所へ帰るだろう。」

(リムーブドカースは騎士スキルの騎士魔法。
これ、多数の石造があって、
冒険者達に唱えてもらうと、石造が消えていく、
とかいう展開があったら楽しいね。)

「ありがとう、みんな。」
光の粒が消えて、言葉だけが残された。

普通の冒険者なら、メデューサに石造にされたとしても、
霊魂が無事なら肉体が再構成されるので、
どうってことないですよね。

でも、今回行方不明になった人たちは、
石造にされて霊魂が肉体を再構成する所に、
魔法でちょっかいを出された、と。
呪いによって、その霊魂はロットワームに形状を変えられ、
この地に縛られ、自力で戻ることができなかった、というわけです。

彼は先程のロットワームからの戦利品を石造の指に嵌めると、
彼女そっくりの石造に対して、解呪の呪文を唱えた。
元に戻る、彼女。

「やっと元に戻れ・・・」
「馬鹿野郎!!(大声)」
彼女の第一声をかき消すように、彼は言葉をかぶせた。

びっくりして身を硬くする彼女を、
彼は人目も気にせずに掻き抱くようにきつく抱きしめた。

「だから危険だって言ったじゃないか!どうして無茶ばっかりするんだ!」
彼は、普段彼女に見せない怒った顔で怒鳴り散らした。
普段なら大勢の目があることを気にしない彼ではないのだが、
今の彼は冷静ではないらしい。

彼は彼女の両手をとると、彼女の両手を彼の後ろへ回した。
彼女が彼を抱きしめさせる体制にさせておいて、
彼は彼女を再度抱きしめた。

彼女は、そのままの体制でゆっくりと手を伸ばすと、
包み込むように優しく、彼を抱きしめ返した。

「・・・貴方が必ず救ってくれると信じていたから。」
彼だけに聞こえるように、小声で、彼女はささやいた。
「・・・それに私達は冒険者ですもの。」
彼女は顔をあげ、周囲の声に気付く。
恥ずかしさから、彼を突き飛ばして慌てて距離をとる彼女。

「皆さん、ありがとうございます。
でも、もう少しだけ、俺に時間を下さい。」
彼は周囲に声をかけて、彼女に向き直り、
「今回の事で、色々わかったことがある。」
名前を呼び、真顔で話し始める。

「俺は戦闘が好きだ。
でも今回、戦っていても面白くなかった。
お前が隣にいなかったからだ。
俺がこの地に居続ける限り、俺は君に俺の傍に居てほしい。」
彼は彼女に告白をした。

「私も・・・ずっと傍にいたい」
彼女は周囲の目を気にして、俯きながらも答えを返した。

「つまり、結婚してほしい、って事だよ。」
間髪居れずに、決定的な言葉を紡ぐ。
これくらいハッキリ言わないと、鈍すぎる彼女には伝わらないから。

「えっ!」
案の定、何も伝わっていなかったようだ。
彼女は驚いて目を見張っている。
顔が紅潮していく。あぁ、無事に伝わったみたいだ。

「断るとかいうなよ。」
にやっと、意地悪く笑う彼。

「・・・うんっ、」
言葉がでてこないのか、それとも、恥ずかしいのか。
何度も何度も首を縦にふっている。

「・・・俺と結婚してくれませんか?」
彼女との距離を詰めて、

「貴方の隣にいるのが当たり前すぎて、なんか恥ずかしい。」
彼女は彼から目を逸らす。
その表情が緩まないように必死になっているので、
笑顔が引きつっている。その表情が笑える。
(周囲からは、冷やかしや罵声も飛んでるに違いない)

「答えは?」
でも、笑わずに、聞くよ。

「はい。私を宜しくお願いします。」
彼女は彼の目をまっすぐ見て、答えを返した。

彼女のまっすぐ見てくる瞳に彼が恋をしたのが、
始まりだったのは、いまはまだ、ナイショで。

「うん。必ず幸せにするから。
というわけで、花嫁を連れて帰りますんで、
帰りのゲートお願いします。」

教会に鳴る鐘の音。
それは、模擬ではなくて、本当の結婚式。

式場を出て、二人でバージンロードを歩く。

「あ、一つ言い忘れたことがあるの。」
うっかりしていた、という彼女。

「なに?」
彼女に視線を合わせて、彼女の方を見る彼。

「私の父が(パパ)挨拶に来いって言ってたわ」※smile※
にこっ、と意地悪く笑った。

「・・・・え、それってもしかして、DOOMにこもっているとかいう」
目を一瞬丸くして、極力表情を変えないように務めてる彼。

「今度一緒に逝きましょうね^^」
とびっきりの笑顔で。

「ぷぎゃー!!」
二人は笑いあうのでした。

こうして、また一組の夫婦が桜の地に誕生したのです。

おしまい。

(以上原作全文)
※かっこ内はト書きです。
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プレイヤーの皆さまからストーリーを募集してEMイベントにするイベントストーリー募集企画第二弾が実現しました!

★原作はTsukemaiさんです。
★プレイヤーのLord Balflearさん、Lady emiryunさん、arisuさんがイベントにご本人役で出演してくださいました。

今回のイベントは結婚式のお話でした。EM婚では結婚式を希望するカップルの様々な要望に答えるべく、式の形式や場所などをアレンジしています。イルシェナーの知の聖堂(Terort Skitas)を結婚式会場として使用するべく下見に出かけた猫又がソーサラーズダンジョンにいるモンク(monk)からとある言い伝えを聞かされました。何でもそこで結婚式を挙げると黒い魔女が現われて新婦をさらって行ってしまうとか……。しかしその魔女は普段はどこかに身を隠していてめったに姿を現しません。そこで猫又は考えました。題して「必殺おとり捜査!黒い魔女をやっつけろ大作戦!」。変な作戦名の内容は模擬結婚式をやって魔女をおびき出し皆で捕まえるというものでした。
もし新婦が本当に黒い魔女にさらわれてしまったら、チャットで居場所を教えてもらって皆で助けよう!と猫又は考えていました。

この作戦に協力してくれたのはバルフレア(Lord Balflear)とえみりゅん(Lady emiryun)。なんと二人は本物のカップルだそうです。危ない作戦なのによくもまあokしてくれたものです。それと付添い人に二人の友人であるありす(arisu)も二人を心配してかけつけてくれました。

半年以上出番がなかったチェリーも今回はやる気満々です。急遽身代わり新婦役に立候補しました。チェリーいわく、「あぶないのは新婦なのよね。私が変わりに身代わりをやったらどうかしら?」。しかし新郎役のバルフレアは「模擬とは言え他の人との結婚は無理(キッパリ)」と即、断りました。

でもチェリーは食い下がります。「新婦が二人いれば危険は半分なんじゃないかしら?」。
猫又はすかさず突っ込みました。「チェリーさん、もしかしてウェディングドレスに憧れが?」。 図星をさされ慌てるチェリー。「わわわ、私はえみりゅんさんのことが心配で…!」。ここで猫又は考えます。「でも新婦を増やすと言うのはわるくないかもしれない。」。カップルの了承を取り、チェリーの意見を採用する事にしました。心優しい新婦役のえみりゅんはチェリーにお色直し用のドレスまで貸してくれました。チェリーは大喜びで着替え、はしゃぎまくっています。ブライドメイド役の予定でしたが、一応花嫁。何かが起きたら頑張らないといけません。

さて、チェリーの着替えも済んだところでこの作戦に協力してくれる3人とチェリー、そして桜民は全員で問題の場所イルシェナーの知の聖堂へと向かいました。

「模擬とはいえ黒い魔女をだますのですから皆さん真剣におねがいします。」
そして模擬結婚式がはじまり、新婦ニ人が付添い人に付き添われながらヴァージンロードを歩いて会場に入ってきました。

…式がはじまりすぐにその瞬間は訪れました!突然激しい稲妻が落ちたかと思うと神父役の猫又の隣に黒い魔女があらわれました!「ふふふ…花嫁が二人?くすくす。二人とも私といらっしゃい。」。一同の目の前でえみりゅんとチェリー、そして黒い魔女の姿は消えてしまいました。「大変!えみりゅんが連れて行かれたわ!チェリーさんも!」付添い人のありすが叫びました。

黒い魔女のあまりの素早さにあっけに取られていた猫又でしたが一応コレは想定の範囲内です。すぐにチャットで新婦二人に呼びかけました。「 チェリー、えみりゅんさんどこにいます?!聞こえたら返事をしてください!」。するとすぐにチェリーから応答がありました。しかしチェリーは酷く慌てた様子でした。「 ……。猫又さん。チェリーよ。大変よえみりゅんさんが!!黒い魔女が…黒い魔女が…!!」。心配するバルフレアと一同、猫又はチェリーに落ち着いて場所の目印が何かないか確認しました。「 えっと、薄暗くて良く分からないけど血の魔方陣が重なっているのが見えるわ。後、石像が沢山あるわ。それと大量のロットワームがいるわ。変ねこのダンジョンにはいないはずなのに……。」。チェリーの説明で猫又とバルフレアはソーサラーズダンジョンの最深部にあるとある場所を思い出しました。予備の作戦通り、全員でダンジョンの最深部へ突入することになりました。

知の聖堂の西にある階段からソーサラーズ内部へ突入すると、入ってすぐの場所にいつもとは違うモンスターの群れが待ち受けていました。髪の毛と言う名前の蛇とライフドレインの能力をもった血の悪魔でした。これらのモンスターの主人は一体だれなのでしょうか…?
新郎が3度も死にましたが、全員が力をあわせてモンスターを倒し、少しずつダンジョンの最深部へ向かって進んで行きました。移動の最中もチェリーがチャットで助けを呼び続けていました。

そして遂に全員はダンジョンの最深部にある重なった血の魔方陣に到着したのでした。青い色のロットワームが無数に徘徊し、黒い花嫁の石像が壁際に並んだその部屋はどうみても異様でした。
魔方陣の近くでバルフレアはチェリーを見つけました。チェリーは何とか無事でした。しかしえみりゅんの姿はどこにもありませんでした。二人と全員がえみりゅんを探していると血の魔方陣から大きな炎の爆発が起こり、黒い魔女と一体の石像が現われました。

「あら、思ったより早かったのね。花婿さん。」「お前が今回の事件の犯人、で、良さそうだな。」「*くすくす*そうね。せっかく大勢の人に来てもらったのだから昔話でもしましょうか。」。最愛の婚約者に結婚の約束を裏切られ自殺した女性が、自らの魂を呪い蘇えった姿。それが黒い魔女の正体でした。魔女は幸せそうな花嫁をさらい、魂をロットワームに肉体を石像に変貌させていたのでした。石像になってしまったえみりゅんを見たバルフレアとチェリーは怒りに燃えていました。「ちょっと! いくらなんでもひどいじゃないの!大昔に恋人にフラれたのを未だに根に持って赤の他人に迷惑かけるなんて!」とチェリーが食って掛かると黒い魔女は言い返しました。「お前…偽者花嫁か、見逃してやったのにまだそんなところにいたの?私のこの目で透視して見たけれどお前のオーラにはモテる要素が全く無かったわよ。気の毒すぎて涙が出るわ」「おおお大きなお世話よ!さっさと花嫁を元に戻しなさいよ!」。
「それは出来ないわ。呪いを解く方法はただひとつ、この私を倒すこと。「本物の愛だけが私の呪いを解くことができる…」そこの騎士、あなたはどうかしら?恋人のために命を賭けられるかしら?」黒い魔女の問いかけにバルフレアは即答しました。「愛に勝るものなど、何もない!」。

黒い魔女は真紅のメデューサに姿を変えると叫びました。「良く言ったわ。ではその言葉が真実かどうか確かめてあげる!あなたたちもまとめて石に変えてあげるわ!」。

メデューサはその眼の特殊能力で邪悪なプレイヤーの分身を作り出し暴れ始めました。しかし桜民も負けてはいません。愛の力を証明するため、全員がバルフレアを助けて戦いました。

そしてメデューサが倒されたあとには、謎めいたエルフの女性が一人立っていました。
「あなたは誰?」チェリーが女性に話しかけてみると。女性は静かに語り始めました。「……ありがとう。これで私自身の呪いも解けました。ようやく、私も、本当の眠りにつくことができる。やっと、憎しみの日々から開放される。私が解放されることで、私の呪いの効果も薄くなる……。」。女性の言葉の通り、魔方陣の回りにあった石像から黒い柱のようなものが上がり、そして消えていきました。黒い魔女の呪いが解けたのです。そしていつのまにか魔女自身も消え去ってしまいました。

…しかしなぜか、えみりゅんの石像はそのまま残っていました。石化して間もないからでしょうか?でもチェリーがある事を思い出しました。「昔本で読んだんだけど、メデューサの石化の呪いはメデューサの涙で解くことができるはず」。実は先ほどのメデューサとの戦いで何人かの桜民はそれを手に入れていました。チェリーに促され、バルフレアがえみりゅんの石像にメデューサの涙を振り掛けるとキラキラと光がこぼれ、石像は生身のえみりゅんへと変わっていきました。

バルフレアは思わずえみりゅんに怒鳴ってしまいました。「馬鹿ヤロウ!だから危険だって言ったじゃないか!どうして無茶ばっかりするんだ!」。そしてえみりゅんをきつく抱きしめました。えみりゅんは涙ぐみながら答えました。「……貴方が必ず救ってくれると信じていたから。それに私達は冒険者ですもの。」。えみりゅんもバルフレアをきつく抱きしめていました。 多少の遠慮を交えてチェリーが切り出しました。「えっと……お二人さん、盛り上がっているところ悪いけれど早いところ逃げないと危ないわよ?」。しかしバルフレアはこの時、一大決心していました。「もう少しだけ俺に時間を下さい。」
そして全員が見守る中でえみりゅんにプロポーズをしたのでした。
「emiryunよ、今回の事で、色々わかったことがある。俺は戦闘が好きだ。でも今回、戦っていても面白くなかった。お前が隣にいなかったからだ。 俺がこの地に居続ける限り、俺はお前に俺の傍に居てほしい。」
「私も……ずっと傍にいたい」
「つまり、結婚してほしい、って事だよ。」
「えっ!」*真っ赤*
「断るとかいうなよ。」
「……うんっ」*こくこく*
「……俺と結婚してくれませんか?」
「貴方の隣にいるのが当たり前すぎて、なんか恥ずかしい。」
「答えは?」
「はい。私を宜しくお願いします。」

そして祝福のムードに包まれる中、猫又が皆を迎えに来て全員EMホールへ帰還したのでした。

作戦の反省会が行われる中、「新婦のプロポーズの答えを聞き損ねた」「もういっかい聞きたいです!」との声が上がりました。ホールのステージの上で、バルフレアは再度えみりゅんにプロポーズをしました。「俺と結婚してくれませんか?」「はい」。再び湧き上がる拍手と歓声。「これはもう、本物の結婚式をやるしかありませんね」。猫又言いました。
そして模擬ではない本物の結婚式がニュジェルムのパレスで行われたのでした。

おまけ 新婦のパパも駆けつけてくれたようです?

※ストーリーはイベント用に原作にいくらかの改変を含んでいます。
EM結婚式は常時受付中です。皆さまも機会がありましたら是非どうぞ。
イベントに参加してくださった皆さま、本当にどうもありがとうございました。

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