2013年2月

【季節イベント】Setsubun Event 2013 02/02/2013

トクノの誠島、禅都のKoku-kitchenには大勢の桜民が詰めかけていました。
タウンクライヤーの呼びかけに応じて、店の中で待っているとなにやらガラの悪い寿司職人見習いの銀太郎が現れました。
「違うなぁ!あの味じゃないなぁ!でも、かなりいい線行ってる気がするぜ!ウヒヒ! 俺って天才?」
ぶつぶつと独り言をいいつつ、ときおりにやにやもしつつ、どうやら銀太郎はお客様そっちのけで恵方巻きの試作に取り組んでいるようでした。
自分を見つめる桜民の視線に気づいた銀太郎、挨拶もそこそこに、恵方巻きが間に合わない事で悩んでいる?様子。
心配した桜民が彼の話を聞くと、大変な事実が発覚したのでした。
じつは銀太郎の師匠が3日も行方不明だというのです。銀太郎の師匠は伝説の寿司職人で、今日明日の恵方巻きの注文が殺到しているというのに。
師匠は材料集めに行くと言って店を開けたまま、行方知れずになってしまったと言うのでした。
「レシピさえあればなぁ……。いやぁ~! それにしてもまいったな! このまんま師匠が帰って来ないとなれば、この俺様が禅都一のすし職人……?」
「師匠よりもレシピかよ」、と桜民が銀太郎の性格に半ばあきれているところに犬のいびきが聞こえてきました。

「くそこの、役立たずの犬め! 起きろ! オイ、コラ!」
銀太郎がパイをぶつけると、犬は飛び起きました。
「びっくりしたわん!いきなりひどいわん!これは動物虐待と言うのだわん!」
「ちっ。生意気な犬だ。いくら師匠に可愛がられているからっていっつも閉店後に俺より高級な寿司ネタを食いやがって!番犬にもなりゃしねぇくせにふんぞり返ってんじゃねぇよ、オイ、コラ!この役立たず!」
「……!そんな言い方はないわん!それにご主人様を心配してるのは犬だって同じわん!こう見えても夜通しご主人様を探して歩き回って疲れて寝ていたのわん!ご主人様発見につながりそうな手がかりも見つけたけどもう教えないわんっ!」
犬はそういうと、ぷいっとそっぽを向いてしまいました。
銀太郎がレシピ欲しさに犬に擦り寄ると、犬は銀太郎の師匠の匂いが勇島のムーンゲート付近にあったと教えてくれたのでした。
「勇だって?……まためんどくせー場所だなぁ! オイ、コラ!あそこは蜘蛛だ、河童だ、月狼だって魑魅魍魎がうようよいるんだぜぇ!」
「そうなのだわん!だから腕に覚えのあるサムライに助けてもらおうと一度戻って来たら、疲れてそのまま寝てしまったのわん……」
「なんだよ。だらしのない犬だな。ちゃんと皆さんの機嫌を損ねないようにご挨拶して、うまいこと言ってついて来てもらえよ。オイ、コラ、聞いてんのか?あ?」
犬は自分は寿司犬だと名乗りました。そして寿司犬の「師匠の事が心配で大好物のマグロの大トロも喉を通らない」という訴えを聞いた桜民は、彼の望み通りに銀太郎の師匠の捜索を手伝ってくれることになりました。
「あ、みんなが行くなら俺も行くよ!」銀太郎も呑気に付いてくることになりました。

勇島のムーンゲートから寿司犬の鼻を頼りに道を進んでいくと、道端の岩の上に大きな瓶が置いてありました。
「これはご主人様の秘伝のすし酢わん!こんな大事なものを置いて行くなんて、きっとご主人が身の危険を感じたからに違いないわん!」
すかさずそれを拾い上げる銀太郎。
「ちょっと何するわん!」
「何するって人聞きが悪いぞ! オイ、コラ!一番弟子の俺様が師匠の秘伝のすし酢をお預かりするのは当たり前だろ?」
「先を急ぐわん……」
今は銀太郎のことに構っている場合じゃありません、寿司犬と一行はさらに道を進んで行きました。

次に道端の草の上に大きなたまごがあるのを見つけました。寿司犬が言うにはそれ主人が太巻き用の玉子焼きに使うジャイアントチキンの卵だそうで。
「こんな貴重な卵がそんなにゴロゴロ転がっているはずがないのだわん!」
卵も銀太郎が拾いました。

続いて道端の木の枝に海苔が引っかかっているのを発見しました。
「あれは禅都一高級な極上海苔……きっと風に飛ばされたに違いないわん!」
銀太郎は素早く来に登るとさささと海苔を懐に入れてしまいました。

さらに道を進んでいくと、今度はトクノ特産のかんぴょうが落ちていました。
「あれもめったにない品わん、ご主人様が落として行ったにちがいないわん」
銀太郎がかんぴょうを拾うと一行は次へと急ぎました。

すると今度は大きなしいたけの上に座っているサルがいました。
犬がサルにしいたけを返すよう持ちかけてると銀太郎は素早くサルのシリからしいたけを拾い上げてしまいました。
サルはおもわず尻餅をついてしまいました。
先を急ぐ一行にサルが話しかけてきました。
「ねー! 何しに行くわけ?ちょうど退屈してたんだー。俺も連れてって?今の時期は鬼が出るんだぜ?気をつけて行かないと大変なことになるよ?知らないの?」
「鬼?まさかご主人様は鬼に追われていたわんか?」
サルが一行に加わり、全員は急いで次の手がかりへと向かいました。


(※画像は瑞穂シャードです)

銀太郎の師匠は鬼に捕まってしまったのでしょうか……?心配しながらツキウルフの関所の辺りに行くと何やら悲しげなキジが泣いていました。
「今晩キジ鍋にされちゃう……!しくしくしく……」
どうやらキジは鍋にされてしまう自分を哀れんで泣いているようでした。
犬、サル、そして桜民に逃げろと諭されたキジは一行に加わりました。そしてキジの証言で、銀太郎の師匠が西の方へ行ったとわかりました。

そして全員で西の方へ向かうと、海に浮かんでいたきゅうり、そして船着場で桜でんぶを見つけることが出来ました。
「これは……!ご主人様手製のトクノの鯛から作る極上さくらでんぶわん!でも手がかりはここで途切れているわん!ご主人様はここで追い詰められて、船に乗せられてどこかにさらわれたわんか……?船頭に頼んで渡してもらわないといけないわん!合い言葉は……。c……、cr……、cro……!ああ! 思い出せないわん!」
渡し舟の合言葉といえば「cross」だと桜民が教えてくれたので、皆でいっせいに船頭に合言葉を言うとトクノの海に浮かぶある島へとたどり着きました。

島には鬼が一匹、佇んでいました。全員で鬼を取り囲むと銀太郎が鬼に詰め寄りました。
「やい鬼!お前が師匠をさらったんだな?大人しく伝説の恵方巻きのレシピを出せ! オイコラ!」
「……」鬼は黙って銀太郎を見ていました。
「ちょっとみんな待つわん!この鬼はすし酢の匂いがするわん!……ご主人様! ご主人様じゃないのわん?御無事でよかったわん!」
「なんだよ。こんな鬼が師匠のわけないだろ。いいからお前ら早くやっちまえよ! オイコラ!」
「ちょっと待つわん!どんな姿をしていても、これはご主人様に違いないのわん!」
寿司犬と銀太郎のやりとりを見ていた鬼は重い口を開き、語り始めました。
「……いかにも私が禅都の伝説のすし職人である。こんな姿でお騒がせしてしまってすまない。話せば長くなるが、その昔私は人間として生きる事を決意して、鬼の姿を捨てて長らく人間として幸せに暮らして来た……。
ところが折しも節分、この島の守り神である大黒様が伝説の恵方巻きを所望されて、断ったのだが追われて仕方なくここに来たのだ」
「……ご主人様!ご主人様がどんな姿でもかまわないわんけど、すし職人にとって大黒様がすしをご所望とは名誉なことではないのわん?なぜお断りしなくてはならないのわん?」
「それは……!本物の伝説の恵方巻きは巨大なまきすで渾身の力をこめ、鬼の姿に戻って鬼の腕力でもって巻かなければいけないものなのだ。それに……!」
「それに……?」
「伝説の恵方巻きの具は……!タコの歯ごたえとカニ肉のうまみを凝縮した濃厚な味わい……!

多くの戦士が挑んでは命を落としたあの食材……!そう、あの食材がなくては伝説の恵方巻きは完成しない……!
あまりに危険だ……! 危険すぎるっ……!」
「ま、まさか……?」
その場にいた全員の前に、その伝説の食材、スカリスが姿を現しました。全員は必死になってそれと戦い始めました。

5匹はいたでしょうか?しかしそこは勇敢な桜民。多数の死傷者を出しながらも無事スカリスを討伐することができました。
鬼の師匠も早速、スカリスの肉を集めました。
戦いが終わりほっとしたのもつかの間、全員の前に金色の神々しい姿をした大黒様が現れました。
「鬼よ……! 恵方巻きの用意はできたか?」
「はっ……。大黒様、皆様がたの働きで新鮮なスカリスを確保してございます。しかし……!
ここに来るまでに慌てて他の材料をすべて落として来てしまったのでございます。これから集めて来ますので、どうかしばしのお待ちを……!」
「残念だ」と銀太郎が言いました。
「ご主人様! 材料なら銀さんが持ってるわん!」
銀太郎はこの期に及んでも伝説の恵方巻き作りを自分でやるつもりだったようでした。しかしその場にいた全員の冷たい視線に気がついたのかしぶしぶと拾った材料をテーブルの上に出して行きました。
「おお! これは助かる! 早速伝説の恵方巻きを作るとしよう!」
師匠は鬼の腕力で素早く伝説の恵方巻きを握ると、大黒様にそれを献上しました。
「大黒様! 出来上がりました!ここはひとつ、皆様にも召し上がっていただいてよろしいでしょうか?」
「うむいいだろう。だが、まずはわしが味見をしてからじゃ!今年の恵方巻きは南南東を向いて食べるのじゃ!」
大黒様は恵方まきをぱくりと食べると満足して言いました。
「これは美味じゃ!皆の者も食すが良いぞ!皆の者、最高の恵方巻きで今年の願掛けをするがよいぞ」
全員が南南東を向いて、それぞれの願いを胸に恵方巻きにかぶりつきました。こうして無事に皆が今年の恵方巻きにありつけたのでした。

願掛けが終わり島を後にしようとした時です。鬼になってしまった師匠は禅都のお店には帰らないで島に残ると言い出しました。
「鬼の私をもはや受け入れてくれる場所などなかろう。私はここで鬼として、大黒様にお仕えしようと思う」
それを聞いた銀太郎は調子にのって言いました。
「そうだそうだ!鬼め! 化け物め!お前が帰って来る場所なんてないぞ! オイコラ!」
ひどい弟子です。
「ここに居残るのははっきり言ってお前じゃね?」サルが言いました。
「よくわかりませんけど、見た目で人を判断するのはよくないと思います……!」キジも言いました。
「なんだよう! お前ら! 俺が師匠が失踪してどれだけ苦労したかわかってんのか?てめぇら畜生に人間様の苦労がわかってたまるかってんだ!オイコラ!」
「銀さんいい加減にするわん!ご主人様! ご主人様がどんな姿になっても大好きわん!決してすしネタにつられてるわけじゃないわん!帰ってきてほしいわん!」寿司犬も言いました。
鬼は寿司犬を優しく見つめながら答えました。
「……!ありがとう!」
そうして一行は銀太郎一人を島に残し、禅都へと帰って行ったのでした。
めでたしめでたし

イベントに参加してくださった皆さま、ありがとうございました。

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